助産師の仕事は、妊婦やお産のお手伝いをする仕事としてはるか昔から存在しています。以前は「産婆さん」と呼ばれており、特別な資格がなくとも働ける仕事として多くの女性が活躍していました。
しかし、明治時代中ごろからは、母子保健の安全を確保する目的のもと産婆規制が設けられ、産婆としてふさわしい知識や技術を備えたものだけに資格が与えられるようになりました。
それから、長い月日をかけて、産婆は助産師へと名を変え、今ある助産師の確固とした地位を築き上げてきたのです。
助産師は、命の誕生と言う神秘的な瞬間に立ち会うことができる素晴らしいお仕事ですが、いつ始まるかわからない出産に備えて、24時間体制で構えていなくてはなりませんので少々ハードな面もあります。
そんな、助産師の一日の仕事の流れについてご紹介したいと思います。
助産師の多くは産科のある病棟に勤務しています。
午前は、看護師と同様、出勤したらまずは申し送りが行われます。夜間のお産の有無や、前日に生まれた新生児と褥婦さんの容態確認、出産間近な妊婦さんはいるのか、などと言った当日必要になる妊産婦さんにまつわる情報をここでしっかりと把握するのです。
そして、助産師は各自その日の担当業務に入ります。分娩介助がメインの場合、妊婦さんの陣痛が始まると直ちに出動開始です。妊婦さんを安心させる声掛けや容態チェック、陣痛の間隔や胎児の心拍数を測り、母子ともに健康な状態で出産を迎えるための様々な準備に取り掛かります。
出産が無い場合は、入院されている妊婦さんや褥婦さんのもとに迎い、体調やメンタルのケアを行います。また、外来が忙しいときは、今後関わるであろう妊婦さん達の診察を手伝うこともあります。
午後は、上記の業務に加え、曜日によっては出産後の母親に向けた子育て指導を行います。新生児の食事や沐浴について、また母乳の出が良くなるためのマッサージなど授乳指導が主です。また、これから出産する妊婦さんやその旦那さんに対して親になる心構えなどをアドバイスする母親学級を開くこともあります。
もちろんこの間にも、入院中の妊婦さんの陣痛が始まったり、緊急で運ばれてきた方がいる場合には、すみやかに対応をするようになります。そのため、お産時期が迫っている日は妊婦さんの状態によりその日のスケジュールは変わってきます。朝一番に申し送りをすることは変わりませんが、その後は陣痛に苦しむ妊婦さんへの介助が続きます。
10分間隔の陣痛が始まってからお産準備ができる子宮口が完全に開くまでは、初産ですと平均10~12時間、出産経験のある方ですと4~6時間といわれ、その間苦しむ妊婦さんの腰をさすったり、励ましサポートすることになります。
出産は中々予定通りにはいかないものですが、いつ何時でも、心から赤ちゃんの誕生を歓迎・祝福するのが助産師の役目です。必ずしも無事出産が行われるわけではありませんが、そんな時こそ女性のそばで一番親身になって支えてくれるのが助産師です。
体力・精神的にキツイと感じる場面も多々あると思いますが、命の誕生の瞬間に立ち会い、喜ばしい気持ちを母子ともに共有できる素敵な仕事は他にありません。
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