助産師が活躍できる職場は、病院の産婦人科以外にも数多くありますが、その中で今回取り上げるのが「助産院」です。
助産院は産婦人科とどのように違うのか、助産師が助産院で働くメリットなどを、詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
助産院の特徴は?
小規模でアットホームなお産ができる施設
助産院は、助産院が開業権をもち、妊娠から出産までのサポートを一貫して行なうことができる施設です。
入院床数が9床以下と定められていることから、入院する妊婦の数は産婦人科と比較するとかなり少なく、また施設辞退も自宅と併設していたり、自宅のような雰囲気で構成されているところが多いので、アットホームな雰囲気で出産することができます。
助産院が指揮を取って運営するため、助産院には産科医が在籍していませんが、出産時のトラブルなどに素早く対処できるよう、必ず提携の病院があるため、妊婦も安心して出産に臨めます。
助産院での出産を希望する妊婦が増えている
助産院を利用しての出産は、助産院で出産することも可能ですが、助産師に出張してもらい、自宅で出産することも可能です。
最近はできるだけ自然な形でのお産をしたいと希望する妊婦が多く、また水中出産などを希望する妊婦も増えているため、病院ではなく助産院を利用する人が増えてきています。
ちなみに、助産院で働く助産師は白衣を着ておらず私服で仕事をしている人が多い傾向にありますが、これは「妊婦は病気ではない」という考えに基づいているのだそうです。
こうした考え方も、自然な出産を希望する人から人気がある理由のひとつかもしれません。
助産院と病院の違い
昔の助産院は医療機器などがほとんどなく、病院とかなり違った運営がされていたそうですが、最近はエコーが設置されている助産院も増えているので、妊娠中の検診などにおいては病院と大きく異なる点は少ないようです。
しかし、出産時は助産院と病院の取り上げ方にいろいろな違いが見えてきます。
医師と助産師のもっとも大きな違いにとして、「メスが使えない」という点が挙げられます。
例えば分娩中に容態が急変し、急遽帝王切開の必要が出た際には、助産院で帝王切開の手術を行なうことはできないため、救急車で病院に移動して医師による手術が行われるのです。
病院での出産時に多く行われている会陰切開においても同様で、助産師はメスを使うことができないため、助産院では会陰をせずに出産に臨みます。
とはいえ、妊娠中、分娩時などにトラブルが一切なく、医療行為を必要としないお産であれば、助産院で十分安全に出産することが可能です。
<関連記事>:助産師が病院で働くメリットは?
助産師が助産院で働くメリット・デメリット
助産院で働くメリット
それぞれの助産師がさまざまな今後の目標や方向性をもっていると思いますが、ひとつひとつのお産にしっかり向き合いたい助産師や、自然分娩の介助をたくさん経験したいという人は、助産院で働くメリットは大きいと思います。
助産院では介助を行なう妊婦の数が少ないため、一人ひとりの妊婦にきちんと向き合ってお産までのサポートをすることができますし、自然分娩を希望している妊婦が多いことから、その経験をたくさん積むことが可能です。
また、病院と比較すると助産院のほうが、ブランクがある助産師の採用を積極的に行っている傾向があります。
全国にかなり多くの潜在助産師がいるといわれており、仕事に復帰したいけれど自信がないという人も多いようです。こうした助産師は、助産院での仕事を検討してみるのもよいと思います。
助産院で働くデメリット
助産院では医療行為を行わないため、注射や点滴などの処置は一切ありません。
そのため、病院で必要とするスキルが低下していくことが考えられ、この点は助産院で働くデメリットであるといえるでしょう。
また、最新の医療技術などに対する情報を得にくくなることも、助産院で働くデメリットになります。
高齢出産などリスクを伴う出産における知識や技術を身に着けたいという人には、助産院の仕事は向いていないかもしれません。
<関連記事>:【キャリアアップ】看護師から助産師になるには?
助産院への転職をお考えの方は・・・
助産院での仕事に就く前に気をつけたい点
これまでずっと病院の産婦人科で働いていた助産師は、助産院の仕事の流れについて戸惑うことがあるようです。
病院では1日に出産する妊婦の数が多いですし、入院している人も多いので、一人ひとりの妊婦や新米ママと接する時間が短いですが、助産院ではそれぞれの妊婦と長い時間接し、検診などもじっくり行われます。
知識や技術はもちろんですが、どちらかというとコミュニケーション能力が重要になりますので、この点を踏まえた上で就職活動を行いましょう。
また、家庭や育児との両立がしやすいことから助産院での仕事を希望する人も多いと思います。
基本的に助産院では夜勤などが発生することは少ないですが、急なお産が入ったときには呼び出しがあり、仕事を頼まれることがありますので、もしもの時に家族などのサポートが受けられるような体制を整えておくことはとても重要です。
<関連記事>:助産師、夜勤の手当てってどのくらい?
転職サイトを利用して助産院の求人情報を集めよう!
昔と比べると助産院の数が増えてきているようですが、やはり病院よりも求人数が少なく、募集情報をうまく見つけることができないという人も多いと思います。
より効率的に助産院の求人を探すには、求人サイトに登録するのがおすすめです。
助産院の求人は「非公開求人」として扱われていることも多いので、登録したサイトで仕事における希望を伝えれば、非公開求人を紹介してもらうことも可能となります。
また、就職のカウンセリングなども行っていますので、ブランクがある人でも働きやすい職場を見つけてもらえるなど、いろいろなメリットがありますので、ぜひ利用してみてください。
- 助産院は小規模でアットホームなお産を行える施設
- 妊娠中は病院との違いはないが、出産時に医療行為を行えない点が大きく異なる
- 自然なお産の経験を積みたい人、じっくり妊婦と向き合いたい人におすすめ
- 医療行為を行えないので看護業務のスキルが低くなる点はデメリットといえる
- 助産院での就職を希望している人は、転職サイトを活用するのが効率的
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