助産師の仕事は、出産や妊娠においての幅広い知識や高度な技術を習得した上で働くことができる専門性の高い仕事です。
しかし、さらに高い能力をもった助産師を目指すために、スキルアップを図ろうとする人も少なくありません。
ここでは、助産師としてスキルアップをするためにはどのような方法があるかについて考えてみたいと思います。
目次
スキルアップとキャリアアップの違いについて
より優秀な助産師として活躍したいというときに、スキルアップを目指すと思いますが、同時にキャリアアップという言葉を聞く人も多いと思います。
スキルアップとキャリアアップは意味合いが異なり、助産師として働く上でより高い知識や技術を身に付けることをスキルアップと表現します。
ではキャリアアップとは何かというと、さらに優秀な助産師になるという点では同じなのですが、そのスキルを活かして経歴を高める、という意味合いが強くなるようです。
例えば一般企業の会社員の場合、派遣社員で営業事務などの仕事をしていたけれど、転職にあたって正社員で同じ仕事ができることになった場合、キャリアアップしたということになります。
スキルアップを図ることで自然とキャリアアップにつながることもありますが、転職など自ら環境を変えることで実現できる場合が多いかもしれません。
こうした点を踏まえて、助産師のスキルアップとキャリアアップについて考えてみましょう。
助産師のスキルアップ
エキスパート助産師の資格を取得する
より助産師としての知識や技術を高めたいという人に最近注目されているのが、「エキスパート助産師」という資格です。エキスパート助産師は、助産師になるために学んできた知識に加えて、より高いスキルを身に付けることを目的としています。
資格を取得するには、学科と臨床を合わせて約600時間の講習に参加することでエキスパート助産師の認定を受けることが可能です。
資格認定を受けることで、ハイリスク出産を含めたより幅広い分娩に立ち会うことができるほか、キャリアの浅い助産師のサポートに積極的に関わることができるなど、仕事の幅が大きく広がります。
認定看護師や専門看護師もかなりの勉強時間が必要となりますが、業務に影響のある部分については病院側でサポートしてくれるところも多いです。
エキスパート助産師はまだそのサポート体制が整っていないため、資格取得にあたって業務との兼ね合いが難しいというリスクがあります。
<関連記事>:エキスパート助産師になるには?
認定看護師や専門看護師など看護のスキルアップを図る
認定看護師や専門看護師は、看護師のスキルアップとして目指す人が多い資格になりますが、助産師も看護師の知識や技術がベースとなっていますので、より専門性を高めるためにその道に進む助産師も多いです。
認定看護師や専門看護師は、看護師や助産師としての実務経験など認定を受けるにあたっての条件が設定されており、それらを満たしている人が受講することができます。
感染管理や不妊症の看護など、産婦人科における分野も解説されていますので、助産師の直接的なスキルアップにもつながります。
助産師というと母性看護方面に注目する人が多いですが、看護学でも助産師の仕事に役立つ分野が多いため、認定看護師や専門看護師を目指す人は、あえて看護の分野を選択する人もいるようです。
これらの資格取得にあたっては、大学院に通う間の生活費や学費などを病院側がサポートしてくれるところも多いため、職場によっては少ないリスクでスキルアップが目指せる資格であるといえます。
民間資格を取得してスキルアップを図る人も
助産師のスキルアップというと、院内で認められた資格に注目する人が多いですが、中には赤ちゃんや妊婦に関する民間の資格を取得してスキルアップを図る人もいます。
例えば、赤ちゃんや妊婦を癒やすためにアロマテラピーの資格を取得したり、ベビーヨガやマタニティヨガのインストラクターを目指す人、「NPO法人国際ラクテーションコンサルタント協会」が運営する母乳関連の資格を取得する人などその分野はさまざまです。
今後助産院の開業を目指す人は、特にこうしたプラスアルファの資格を取得することで、幅広いサービスを妊婦や赤ちゃんに提供することができます。
マクロビなど母乳によいといわれる料理法の資格を取得して、授乳中のお母さんに向けた料理教室の開業を目指す人もいるようです。
<関連記事>:助産師のスキルアップ、リフレクソロジー
助産師のキャリアアップにはどんな道がある?
院内助産院や助産師外来で働く
冒頭で触れたキャリアアップについてですが、最近は産婦人科医が不足していることから、助産師の活躍の場が見直されてきており、「院内助産院」や「助産師外来」を設置する病院が増えている傾向にあります。
助産師としてスキルアップした上で、これらのポジションについて働くことを目指す人が増えているようです。
産婦人科で働くよりも幅広く赤ちゃんや妊婦に関わることができるため、仕事へのやりがいが大きくなるのはもちろん、収入アップにつながる可能性もあります。
<関連記事>:助産師が助産院で働くメリットは?
独立を目指す
よりスキルを高め、十分なキャリアを身に着けた助産師は、助産院を開業する人もいます。
最近は分娩を行なう産婦人科が減少していることや、自然なお産を望む妊婦さんが増えていることから、助産院の需要は高まりつつあるようです。
助産院の開業については、所定の手続きを行なうことで開業が可能となりますが、万が一に備えて提携先の産婦人科を見つけておく必要があるなど、多くのリスクも伴います。
新人の助産師が開業をするというのはもってほのかで、分娩だけではなく産後ケアや母乳ケアなど、妊娠と出産に関わるすべての経験や知識を十分に得た助産師が開業するのが一般的です。
かなりハードルは高くなりますが、より自分なりのお産で赤ちゃんや妊婦の手助けをしたいという高い志を持つ助産師は、助産院の開業を目指す人も少なくありません。
- スキルアップとキャリアアップは似ているが最終目標に違いがある
- 助産師のスキルアップは、エキスパート助産師や認定看護師を取得する方法がある
- 母乳や赤ちゃんに関わる民間資格を取得する人も
- 助産師のキャリアアップには、助産院開業や助産師外来で働く道がある
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