助産師は人間関係が理由で転職する人が多いといわれています。なぜ、助産師に人間関係の悩みが多いのか、その原因と対策について考えていきます。
これから助産師を目指す人、現役の助産師で人間関係に悩んでいる人は、ぜひ参考になさってみてください。
目次
人間関係で悩む助産師は多い?その理由は?
助産師同士の経験値の違い
助産師は看護師に比べると数が少なく、これまで積んで来た経験値に差が出がちです。同じ病院やクリニックで働く助産師同士でも、「私は分娩数が○○件もある」「難しい分娩を多数扱っている」等、経験値に大きな違いが出るケースは少なくありません。
こうした経験値の違いは助産師同士のトラブルの原因になります。例えば年齢が上でも経験の乏しい助産師を下に見たり、勤務年数が上でも経験値の少ない助産師を軽んじるような状況では人間関係がドロドロになるのは当然の成り行きですね。
昨今では少子化の影響もあり、出産数の減少が著しくなっています。助産師の経験値の高さ・低さはなかなか改善されず、ますます職場の人間関係は悪化していく傾向が見られます。
看護師とのあつれきで悩む
看護師と助産師は同じ職場で働くコメディカル(同僚)です。ところが病院やクリニックによっては看護師のほうが数が多く、助産師が肩身の狭い思いをするケースが見られます。
そうした職場では、助産師は看護師に気兼ねしながら日々の業務を行なっています。看護師側は数の多さを背景に助産師を圧迫したり、いじめのような状況に陥ることもあるようです。
「助産師の仕事を理解していない」「とにかく看護師からの圧力がすごい」「助産師だけ仲間外れにされる」という声もあります。これでは人間関係が上手くいくどころか、ストレスを抱える一方ですね。
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医師との関係が上手くいかない
医師と助産師はまったく別の業務を行なう存在です。本来なら対等の関係であるべきですが、現実には医師のほうが格上、助産師は格下の存在となっています。これはどこの病院やクリニックでもほぼ同様で、一部には助産師をかなり下の職業と見下す医師もいるようです。
このような関係は医療の現場にも反映されます。医師と助産師の意見が食い違ったとき、問答無用で医師に従わなければならなかったり、助産師のちょっとしたミスにも厳しく叱責するなどのトラブルが多数発生しています。
「助産師が意見を言っても無視される」「頭ごなしに叱られて落ち込む」「助産師を下働きのように扱う」などの声も出ています。医師との関係は一朝一夕には解決できない問題だけに悩む助産師も少なくないのです。
妊婦さんや家族との関係に悩み
妊娠や出産は妊婦さんやご家族にとって人生の一大イベントです。健やかな赤ちゃんの誕生を願うとともに、出産に際して妊婦さん自身の健康に関する不安や心配もありますね。
こうした状況では妊婦さん本人もご家族もナーバスになりがちなので、助産師はかなり気を使ってコミュニケーションを取る必要が出てきます。そのコミュニケーションが円滑にいかないと、助産師にとっては強いストレスや悩みの原因になります。
「アドバイスをしても聞いてもらえない」「こんな助産師で大丈夫かと言われた」「具合が悪くなると助産師のせいだと責められた」など、妊婦さんやご家族との人間関係で悩む助産師は多いのです。
人間関係を良好にするためできること
人間関係で悩んでいるばかりでは何も解決しません。自分自身の心身の健康のためにも、人間関係を良好にするためのヒントを紹介します。
職場の人間関係で悩んでいる助産師さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
看護観・価値観の違いを認める
助産師同士、看護師同士でも看護観や価値観は違います。なぜなら、これまで学んできた環境や仕事をしてきた状況、経験や実績などに違いがあるからです。
同僚の助産師や看護師との関係を改善するには、まずお互いの看護観や価値観の違いを認める必要があります。
「あの人はああ言うけれど私は違う」ではなく、「ああいう意見もあることを認めよう」と考える必要があるのです。
まずは相手の意見を頭ごなしに否定するのではなく、「確かにそういうやり方もあるわね」「それもいい考えだけど、実は私は…」というように肯定から入るようにしましょう。
お互いの意見を尊重し合えば、かなりのトラブルの種を減らすことができます。
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医師に対抗できる知識や技術を養う
医師が助産師を下に見ている、意見の食い違いを無下に却下される等の問題は簡単には解決できません。
最も効果的なのは、助産師が医師に対抗できるような知識や技術を養うことです。
「助産師はアシスタントか下働き」と考えている医師でも、しっかりした医学知識や技術をもとにした意見なら耳を貸さないわけにはいきません。
知識や技術を身に付けるのは容易なことではありませんが、医師に「この助産師は意外に知識が豊富だ」「かなりの技術を持っているから無視できない」と思わせられるようになれば問題解決にも近づいていけます。
妊婦さんやご家族の気持ちを共有する
赤ちゃんという新しい生命の誕生は素晴らしいことです。と同時に助産師には想像できないような不安や心配を抱える妊婦さんやご家族が多いのも事実ですね。
そうした妊婦さんやご家族と上手くコミュニケーションを取るには、出産にまつわる気持ちを共有することが大切になります。
「赤ちゃんは無事に生まれるのか」「母体にはリスクはないのか」「何もかもが不安でたまらない」といった気持ちを共有し、そのうえでアドバイスや相談に応じると関係が上手くいきます。
最初から上手くいかなくても挫けずトライしていきましょう。
<関連記事>:助産師としてスキルアップしたいなら?
人間関係の修復が難しい場合は転職しかない!
人間関係の悩みはどの職業にも付きものですが、特に医療の現場では顕著に表われる傾向があります。
医療に携わる仕事は患者さんの健康や生命がかかるだけに、プレッシャーやストレスが多いためです。
どんなに人間関係の修復で努力しても、何をやってもダメな場合は転職という選択肢もあります。
転職は3年勤めてから?
よく「転職は3年勤めてから」「しょっちゅう転職すると不利になる」などの意見があり、転職をためらう人もいるかもしれません。
しかし、最近では3年勤続が必須というわけではなく不利になるケースはごく少数です。
助産師さんによっては3年勤続や転職不利説を信じ、ツライ職場でも我慢して働き続けている人もいます。
その結果、体調不良で入院を余儀なくされたり、精神的なストレスで退職してしまうケースが多数見られます。
患者さんの健康を守る助産師がこれでは本末転倒ですね。
職場を変えれば悩みも解決!
実はドロドロの人間関係に悩んでいた助産師さんでも、職場を変えただけで悩みが解決したという例はたくさんあります。
現在の職場で我慢して働くより、自分に合った職場に転職することで解決の道が見えてきます。
転職経験のある助産師さんからは「ダメな職場ではいくら努力してもダメ」「自分に合ったところを探すほうが建設的」という意見が多数出ています。
頑張っても問題解決のめどが立たないなら、転職を考えたほうがいいというのが結論です。
助産師の方で転職に迷っているなら、助産師を対象にした転職支援サイトに登録してみてはいかがでしょうか。
助産師専門の転職支援サイトに相談すると、希望条件に合った転職先が見つけやすくなります。
助産師の求人情報に詳しい専任アドバイザーが相談に乗ってくれますので、ぜひ活用してみてくださいね。
- 人間関係の悩みで転職する助産師はかなり多い
- 助産師同士や看護師とのあつれきも原因のひとつ
- 医師との人間関係も面倒なことが多く転職理由になる
- 妊婦さんやご家族とのコミュニケーションも苦労あり
- お互いに歩み寄って理解しあう努力で関係改善も
- 転職で職場を変えて心機一転すると悩みの解決になる
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