助産師の仕事は、分娩のサポートや赤ちゃんや妊婦さんのお世話をすることが中心となりますので、妊娠や出産における深い知識と技術が必要になります。
助産師学校でしっかり勉強していても、実際に出産したことがないとわからないこともあったりして、「助産師も出産経験があったほうがよい」と感じる妊婦さんもいるようです。
こちらでは、助産師の仕事を遂行する上で出産経験は重要となるのか、出産経験のない助産師はどのようにして妊婦の信頼を得ることができるのか、という点について考えていきたいと思います。
目次
出産経験ありの助産師を希望する人が多い?
出産経験のある助産師を望む妊婦さんもいる
大学病院などの大規模な医療施設で働く助産師は、出産経験のない人も多いので、すべての妊婦さんが出産経験のある助産師を求めるということではないと思われます。
ただ、妊婦さんが初産だった場合、なんとなく出産経験がある助産師のほうがその経験を活かした対処をしてくれるような印象がありますし、陣痛の痛みを知っているので、気持ちを分かち合いながら分娩を進められるのではと考えるかもしれません。
また、看護師や助産師業界は同性が集まっているので、独特の雰囲気の中運営されているということもあるかもしれませんが、助産師が看護師に対して分娩時の対応について指導する際に、「出産経験のない助産師の指導を受けたくない」という看護師もいます。
助産師にとってはこれまで学んできたことや経験してきたことをすべて否定されてしまうような、つらい思いをした人も少なくありません。
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出産経験のない助産師でも「またお願いしたい」と思ってもらえる
では、出産経験がないと妊婦さんから助産師として認めてもらえないかというと、決してそんなことはありません。
出産未経験の助産師でも、経験のある助産師より妊婦さんから指示されている人はたくさんいますし、看護師から信頼されている助産師も同じくらいたくさんいます。
例えば、陣痛中の痛みを和らげるには、腰をさすったりいろいろな手当をすると思いますが、中には足をさすることで陣痛が和らぐことがあるそうです。
出産経験のない助産師が足をさすってくれたときに、陣痛が和らぎすごく楽になったという妊婦さんがいて、「次に出産するときもあの若い助産師さんにお願いしたい」と思ったそうですから、出産経験がなくても頼りにしてくれる妊婦さんはたくさんいると思います。
出産経験のある無しよりも、より多くの分娩を経験していて、難産にも立ち会ったことのあるような助産師のほうが頼りになる、という人も少なくありません。
出産経験よりも人柄が重要!新米助産師が信頼を得るためにできる事
出産経験のある助産師は細かなケアが行き届かないことも多い
出産経験があると、その時々に必要なケアやサポートについて体感しているので、実践でも活用しやすいというメリットがありますが、逆に自分が経験しているからこそ、「この程度だったら我慢するべき」という気持ちになってしまう助産師も多いです。
初産で不安を抱えている妊婦さんにきめ細やかなサポートができないというケースは少なくありません。
もちろんいざというときに頼れる存在ではあるのですが、技術や知識よりも妊婦さんを思う気持ちが分娩の励みになることはたくさんありますので、新米の助産師は、その点に注力して妊婦さんの信頼を得られるように努力してみましょう。
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多くの分娩を経験して、妊娠や出産の知識をより深める
出産経験があれば、陣痛の痛みがどれほどなのか、陣痛のときに行なうと痛みが和らぐコツなどをより理解しているような印象がありますが、出産未経験の助産師でも、より多くの分娩に立ち会い、たくさんの妊婦のお世話をすることで、それらの知識を得ることは十分に可能です。
自分の経験を積めなくても、臨床経験を積むことで出産経験のある助産師に負けないくらいのサポートができるようになります。
妊婦の気持ちによりそい、ストレスのない出産をサポートする
助産師が分娩時に必要なのは、やはり出産する妊婦さんに寄り添う気持ちです。
とあるお母さんの分娩に、出産経験のある看護師と出産経験のない助産師が立ち会った際、陣痛に苦しむ妊婦さんに対し、看護師は一瞥したそうですが、助産師は「もう少しだから頑張りましょう」と手足をさすってくれたそうです。
前述したように、出産経験があると妊婦へのメンタルケアがずさんになってしまうのも事実。初産の妊婦さんはすべてが未経験で、陣痛の痛みはもちろん分娩における不安も多いと思います。
実際に経験したことがなくても、妊婦さんの気持ちになって、少しでも楽にしてあげよう、ストレスのない分娩をサポートしようとする気持ちは、妊婦さんに必ず伝わります。
妊婦さんに対して丁寧なサポートをすることで、安心して分娩に望むことができ、「またあの助産師さんにお願いしたい」と思ってもらえるでしょう。
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出産経験のある助産師の技術を参考にする
出産経験のある助産師が頼りになった、と感じる理由として、痛みの感覚をよく理解してくれたり、腰などを抑えるときの力加減が絶妙で、さすが経験者、と思わせるという点が挙げられます。
妊婦さんに指示される助産師はある程度決まっていると思いますので、人気のある助産師に、抑えるときの力加減を聞いたり、一緒に分娩に立ち会うチャンスがあればそのサポートの様子をよく見て研究し、自分の技術として取り入れてしまいましょう。
わからないことは質問して教えていただくなど、地道に努力を続けることで、自分のサポートにも自信がついて、妊婦さんにも頼りにしてもらえるはずです。
- 妊婦さんによっては、出産経験のある助産師を分娩立ち会いに希望することがある
- 出産経験のある助産師はかゆいところに手が届くサポートをしてくれることが多い
- 逆に、出産経験があると妊婦へのメンタルケアがずさんになってしまうことも
- 出産経験がない助産師でも、妊婦の気持ちに寄り添うことで信頼を得ることが可能
- 出産経験のある助産師の技術を参考にして自分のスキルを磨く努力をしよう
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